東方アレンジへの推しコールが止まらない!

早川さんアドベントカレンダー Advent Calendar 2023、4日目の記事になります。対戦よろしくお願いします。

ガチャドン!ガチャドン!

大きな音を立てて、何やら中身が入ったオリコンを手にナミアがやってきた。凝視すると、中身は機械と大量のCDだった。

「やあ、リアン!ちょいとここらで、DJしていかない?ドゥンドゥン」

そう言いながらナミアはkisaku_na_ojigi-029.midを再生した。音源はどうやらEDIROL SD-80のようだ。これはドゥンドゥンし放題。

「おっと、ナミア。そこには掘ったばかりの落とし穴があるんだ。頼むから踏まないでおくれよ?これは、この世界を観測している者たちへのプレゼントなんだから。」

最初からそれを言っちゃうなんて、らしくないねリアン。だからいつまで経ってもお空が飛べないんだよ?サラダせんべいにデスソース乗っけて食っとけ。

良い子も悪い子もマネしないようにしましょう。私はどちらでもないのでマネしました。

懐かしき日々

「とりあえず、リアンが昔から聴いている曲でセトリを決めていくよ?準備は良い?」

「もちろんだよ!わぁ、こりゃすごい。おまけにデーモンコアもある!これで遊んで良い?ダメ?あぁ、そう。」

若干空気が悪くなったね。ちょっとマズい。早くDJしてお茶を濁してくれ~!

Tsukasa feat.nomico - Maple Wizen (Crosswize Remix)

当楽曲を合法的に視聴できる媒体が発見できなかったため、参考程度にリミックス元を掲載しました。

「懐かしいな!これ、ずっと聴いている曲だよ!」

「でしょ?私の選曲センスをなめないでほしいね!この曲が収録されているアルバム『Blue Constellations』は、アルレコ1さんとの合同企画でリリースされたもの。もちろん、リミックス元はアルレコさんのアルバム『The Garnet Star』からだね。」

「『静寂 その中 戸惑う』のところ、キックのリズムが加減速するのも良いね。やっぱり、Sound OnlineさんのTsukasaさんがとても好き。これまたリミックスだけど、『The Last Judgement (Tsukasa Bootleg Remix)』もすごく良い。」

Bootleg

読み方は「ブートレグ」。権利者に承諾されていない状態で二次創作作品を制作すること。しかし、その定義とは無関係に表記することがあり、権利者に認知もしくは承諾された状態でリリースすることもある。

黒鳥 feat.nayuta - 緋色月下、狂咲ノ絶 (1st Anniversary Remix)

「確かこれは、僕が中学生の頃から聴いているね。当時、そもそも東方アレンジが一般層に受け入れづらかったから、知ったのはネットの同志諸君からだよ。」

「そうだね。EastNewSoundさんは私たち好みのダンスミュージックを作ってくれる。特に黒鳥先生は、サイケデリックトランス特有のブリブリベースを丁寧に出している。大きなスピーカーで聴いても破綻しないってとてもスゴいことだよ。でも、なんでリミックス元を選ばなかったんだい?」

「ハーフハーフなんだよね。どちらも、とても良い曲。強いて言うなら対旋律2の音色かな。リミックス元はもっとブライトなんだけど、こっちは重心が低め。だからエディットもDJ向けになっていると思うんだよね。」

エディット

ある目的ごとに制作された曲。例えば、CMエディットはCM向けに、DJエディットはDJ向けに編集されたもの。DJエディットの中にも多数種類がある。頻出なのは「Extended Mix」と「Radio Edit」と呼ばれるもの。暴論、前者は前奏が長く、後者は短い。聴く上ではあまり気にしなくて良い。

柏木るざりん feat.藤宮ゆき - 星色夜空

「これは確か・・・。第3回東方M-1ぐらんぷりのEDテーマ曲じゃなかったっけ?」

「ご名答!よく見ていたけど、ほとんどネタ忘れちゃったね。ちくわ部ぐらいしか覚えてないよ。しかもそれ、第5回だし。」

「俺も俺も!でも、この曲は鮮明に覚えているんだよな。魔理沙がアリスへの想いを歌った曲だよな、確か。」

サビの『北斗七星』のところ、リズムとコードが好き。楽器の展開が上手いんだよ。たまには音数が少ない、落ち着いた曲も良いね。」

cittan* feat.びびあん - stillness ~死が二人を分かつまで~

「cittan*さん!ラムネの人!

「いやそれ別の作品だし。UKハードコアの方だよ!」

「『私を見つけ出す日まで』のところ、最後に2小節伸ばしている後ろで分厚いリードがアルペジオ3するのが、もう最高すぎる。キックもすっきりとした印象で、UKハードコアなのに聴き疲れない。なんでこんなに明るい曲になるんだろうってずっと思っているよ。」

「リアン、悲しい曲しか書けないもんね。」

ナミア、それは言い過ぎだよ。

運命的邂逅

「それじゃ、リアンの運命を変えた曲、入れちゃおっかな~!」

「え!展開早くない!?そういうもんなの?」

仕方がない。本記事は2023年12月4日に公開しなければならないのだ。今?公開3日前ですけど。

Rinfield - Teatime Love

「おいおい・・・。」

「なんてことだ・・・。」

≪性癖に刺さる!!!≫

これをきっかけに音楽制作を始めたって聞いたけど、本当なの?」

「そうだよ。Rinfield大先生がFL Studioを使っていたから、僕も同じ音楽制作ソフトウェアを買って始めたんだ。確か、大先生によるトランスの作り方がニコニコ動画にあって、動画の概要欄からプロジェクトファイルが配布されていたよ!

「それで、この曲のスゴいところは最後のサビ(4分35秒)のアルペジオ。原曲に沿っているかと思ったら、オリジナルメロディを自然に奏でているんだ!最後に原曲のメロディが入って、ファーストアウトロ!この流れが完璧すぎて陶酔してしまうね。僕のトランス曲はこれにとても影響されているから、聴き比べてみると面白いと思うよ。」

DJ UTO - 永遠ノ景色

「あ!このジャケット懐かし~~~な!これ、僕が初めて例大祭で買ったCDだ!

「お、よく覚えているね!右も左も分からないでほっつき歩いた結果、まさかDJ UTOさんのところにたどり着くとはね~。」

DJ UTO

初代EXIT TUNES社長。現在は、nagomix渋谷のオーナー兼レジデントDJ。

「これぞハードダンス!という感じだよね。ブレイクのオリジナルメロディもとても良い。でもこれ、ちょっと不思議なCDなんだよ。普通はボーカルが入ったフル版、ボーカルが入っていないインスト版だけでしょ?これに加えてメインボーカルのみ版、サブボーカルのみ版があるんだ!

「あー、それは自分自身でボーカルを含んだリミックスができることになるね。しかも、これは東方アレンジでしょ?つまり、リアンがこの曲をリミックスすると、原曲からしてみれば『アレンジリミックス』ってことになるね!」

「んー、難しいことは分かんないや。でも、このメインボーカルのみ版を素材にして合成音声を・・・。」

「この曲のボーカルは合成音声だよ。」

リアン、いい加減初音ミクV4Xちゃんを迎え入れようね。

最近はどうなの?

「最近、どうよ?」

「最近かー。今でも物理CDを買うことはあるけど、サブスクを使うことも多いね。昔からトランス好きなのは変わりないけど、様々なジャンルの曲を聴くようになったのは大きいかな。例えばね・・・。」

s-don - Scarlet Dance

「s-donさん!少し前に聴き始めたって聞いていたけど。」

「そうなんだよ!s-donさんが東方アレンジを書くって聞いちゃったから、買わずにいられなかった!声ネタもこんな自然に組み合わせられるんだなって感動しちゃった。疾走感のある曲で、聴いていて明るくなる!

「私も追いかけ始めようかな・・・!あ~もう!推しが多すぎる!

シイナフユキ - Demystify Feast

「リアンにしては珍しいね。ロック系を聴くなんて。」

「なんでロック系を聴くようになったかは曖昧なんだけど、紺碧Studioさんの『Guilty of cutie』がきっかけなんじゃないかなって思うんだよね。実際、今までトランス一筋だった僕を変えた。」

「でも、紹介するのはシイナフユキさんの東方アレンジなんだ。」

「最近っていうのもあるんだけど、ステレオ感と疾走感があるロックが特に好きなんだと思う。僕はこういったジャンルの知見がなくて申し訳ないけど、似たような曲があればぜひ聴いてみたいね!特にサビに駆け上がる部分と、サビ一発目の音の解放感!その瞬間、光が射し込んだ感覚になったよ。」

エピローグ

リアンとナミアは、この後も東方アレンジについて熱く語り合った。3時間ほど経ち、彼らは明らかに酸欠状態になっていたので、黒いラベル4を渡してあげた。いっぱい呑んでね。

ところで、この世界を垣間見ている君も、東方アレンジを知ってみないか?ほら、そこに大きな沼・・・じゃなかった、落とし穴があると思うんだ。彼らもその中にいるみたいだし、ついでにどうかな?

  1. Alstroemeria Recordsさん
    「アルストロメリアレコーズ」と読むが、「アルレコ」と略すことが多い ↩︎
  2. メロディをより際立たせる旋律 ↩︎
  3. 和音を1音ずつ鳴らす演奏方法 ↩︎
  4. 酸素ガスは黒い容器に収容するよう、厚生労働省より通達されている ↩︎